進歩が停滞


具体的な例としては、自動車関係で有名な「赤旗条例」がある。
1855年に施行された法律で、蒸気機関を積んだ自動車が道路を走るようになると、
歩行者の安全を優先して、自動車はスピード制限され、
赤旗を持った人がクルマがくることを告知するために
クルマの前を進むことを義務づけるものだった。

クルマを走らせる意味はなくなり、自動車の進歩が停滞した。
悪評の高かった「赤旗条例」が廃止されたのは1896年、
ダイムラーとベンツがガソリンエンジンの自動車をつくった10年後のことである。